クルミの品種

クルミという名前は植物分類的に言うと、クルミ科クルミ属の植物全般を指します。クルミ科クルミ属には様々な種類があり、食用にできるクルミはその一部となります。

食用クルミの代表格は「ペルシャグルミ」という品種です。ペルシャグルミ自体の生産も多いですが、その他の食用クルミも殆どがこのペルシャグルミの変種です。

日本国内で自生するものにオニグルミとヒメグルミという品種がありますが、生産量は多くありません。日本産で生産量が最も多いのは「信濃クルミ」という長野県東御市で開発されたペルシャグルミの変種です。

食用にできる主なクルミの品種には次のようなものがあります。

○ペルシャグルミ(西洋グルミ)
ペルシャグルミはイランを原産地とするクルミの代表格です。ペルシャグルミは2000年前から栽培されていたと言うように歴史も古く、多くの食用クルミの原種になっています。

日本で一般的にクルミと言えばペルシャグルミのことを指します。明治初期にアメリカから日本へ本格導入され、ペルシャグルミの栽培が始まっています。

ペルシャグルミの別名をセイヨウグルミ(西洋グルミ)とも言いますが、これはペルシャグルミが欧米経由で日本に伝わった経緯があるためです。欧米でもクルミというとこのペルシャグルミのことを指します。

ペルシャグルミは堅果(殻)が薄く割りやすく、そして仁(実の部分)が大きいのが特徴で食用に適したクルミと言えます。

○テウチグルミ(手打グルミ/カシグルミ/チョウセングルミ)

テウチグルミは中国を原産地とするクルミで、ペルシャグルミの変種とも言われています。別名カシグルミとも言います。

テウチグルミは漢字で「手打胡桃」と書きますが、その由来は手(手打)で簡単に割れることから来ています。

テウチグルミの栽培が日本で始まったのは江戸時代中期と言われますが、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、テウチグルミの種を持ち帰ったという説もあります。

(日本で生産されているクルミはこのテウチグルミと後述する信濃クルミの2種類です。テウチグルミの生産量は信濃クルミに劣りますが、東北地方や長野県で多く生産されています。)

○信濃クルミ
(シナノグルミ/信濃胡桃/信濃ぐるみ/しなのクルミ/信州クルミ)

信濃クルミはペルシャグルミとテウチグルミを交配して作られたクルミです。信濃クルミにもいくつかの種類がありますが、その殆どは長野県東御市で開発されています。現在でも信濃クルミの生産量は長野県が第一位です。

信濃クルミは殻が薄く割れやすい、そして実が大きいのが特徴です。信濃クルミは食用部分が多い上に味が濃厚で旨みがあると言われ「高級クルミ」と称されることもあるクルミです。信濃クルミは人気の高いクルミですが、生産量がそれほど多くないため時期によっては入手が困難とされます。

○オニグルミ
(鬼クルミ/鬼胡桃/鬼クルミ/和グルミ)
オニグルミは日本に自生しているクルミです。オニグルミは九州から北海道まで広く分布していて、樺太にも自生しています。一般に日本で見られる野生のクルミの多くはオニグルミと言われます。オニグルミは日本で古くから食用とされ、多くはありませんが現在も栽培されているオニグルミはあります。

オニグルミの特徴はその名前の通り鬼のように硬くゴツゴツした殻です。オニグルミの殻はハンマーなどを使わないと割ることができません。これは殻が堅いだけでなく厚みもあるからです。オニグルミはペルシャグルミと比べて小さい上に殻も厚いので、食用部分も少ししかありません。

オニグルミは割るのが大変なことに加え、食用部分が少ないので商品として適していません。しかし、味は渋みが無く、濃厚でクリーミーと言われます。これはペルシャグルミに比べてタンニンが少ないためと考えられています。

オニグルミは独特な風味を持つため特定のファンがいて販売もされていますが、料理や菓子などに利用されることも多いです。ちなみにリスが好きなのもオニグルミと言われます。

○ヒメグルミ
(姫クルミ/姫胡桃/姫クルミ)
ヒメグルミは日本に自生しているクルミです。ヒメグルミもオニグルミ同様北海道から九州まで広く分布しており、多くの場合オニグルミに混じって自生しています。また日本では古くからヒメグルミを食用としており、現在も生産量は多くないものの栽培されています。

ヒメグルミはオニグルミと比べ殻が滑らかで薄く割れやすくなっています。割ると断面がハートの形をしているところからヒメグルミ(姫胡桃)と名付けられたと言います。

ヒメグルミの味はオニグルミと似て渋みが少なく、濃厚でフルーティーと言われます。オニグルミより少し淡白という人もいます。

○マンシュウグルミ
○テモミグルミ
○クログルミ(ブラック・ウォルナット)

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