血液サラサラ効果
くるみ(胡桃)に一番期待できる効果・効能と言えば「血液サラサラ効果」ではないでしょうか。くるみには血液をサラサラにする要素がいくつもあります。
くるみが血液をサラサラにする要素
くるみにはαリノレン酸(アルファリノレン酸)が多く含まれている
くるみにはαリノレン酸が多く含まれています。くるみの成分の内、約10%(9g/100g中)がαリノレン酸です。
αリノレン酸とは食べ物から摂取する必要がある健康にとって必要不可欠な必須脂肪酸の一つです。脂肪酸の分類としては多価不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸になります。
αリノレン酸には悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす作用、そして血栓をできにくくする作用など強力な血液サラサラ効果があります。
ナッツ類は全般的に脂肪酸の多い食品ですが、αリノレン酸を一番多く含むナッツ類はくるみです。
くるみに含まれるαリノレン酸は血液サラサラ効果を持つEPAに・DHAの原料である
くるみに含まれるαリノレン酸の一部はEPA(エイコサペンタエン酸)に変換され、更にEPAはDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。
EPAやDHAは細胞膜を柔らかくする効能があり、その効能は血管壁を柔らかくすることにつながります。血管壁が柔軟になると、多少血管内にコレステロールや血栓があったとしても血液が流れやすくなります。
更に、EPAやDHAには血液を固まりにくくする抗凝血作用(抗血栓作用)があります。このようにEPAやDHAは強力な血液サラサラ効果をもっており、その原料となるαリノレン酸を持つクルミには当然血液サラサラ効果があると言えます。
くるみに含まれるオメガ6系脂肪酸とオメガ3脂肪酸の比率が理想的である
くるみはαリノレン酸が多く含まれていますが、それ以上に含有量が多いのがリノール酸です。リノール酸も健康に不可欠な多価不飽和脂肪酸の必須脂肪酸ですが、αリノレン酸とは違いオメガ6系の脂肪酸です。
オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸は構造は似ているものの、その働きは若干異なります。くるみに含まれるオメガ3系脂肪酸の殆どはαリノレン酸で、オメガ6系脂肪酸の殆どはリノール酸です。
リノール酸にも血中の悪玉コレステロールを減らす効果があり、αリノレン酸との相乗効果で更なる血液サラサラ効果が期待できます。
しかし、リノール酸は摂取量が多いと善玉コレステロールも減らしてしまう作用があり、結果として悪玉コレステロールを増やしてしまい逆効果となってしまいます。
更に、リノール酸を摂取し過ぎると炎症作用が強くなり、アレルギー症状や皮膚炎の悪化を招く恐れがあります。つまりリノール酸は摂取し過ぎると体に害を及ぼすのです。
くるみにはリノール酸が多く含まれているため、これらの害を心配する意見もありますが、くるみはリノール酸の効果を最大限に発揮する成分構造を備えているのです。
リノール酸とαリノレン酸はお互いの作用を抑制しあう性質があります。その為、リノール酸とαリノレン酸の効果を最大限に発揮するにはそれぞれの摂取バランスが非常に重要になります。その摂取バランスで理想的なのは1:1~4:1(リノール酸:αリノレン酸)と言われます。
くるみに含まれるリノール酸は38g(100g中)でαリノレン酸は9g(100g中)とほぼ理想の4:1のバランスになっているためリノール酸とαリノレン酸の血液サラサラ効果を最大限に発揮できるのです。
勿論、理想のバランスとは言え、リノール酸の過剰摂取は体によくありませんので、食べ過ぎや他の食品とのバランスを気をつけましょう。
くるみには強力な抗酸化作用を持つ成分が含まれている
くるみにはビタミンEをはじめエラグ酸、フェルラ酸などのポリフェノール類、ルティン、ゼアキサンチンなどのカロテノイド類等、多くの抗酸化物質が含まれています。
血液がドロドロになる一つの要因に活性酸素があります。悪玉コレステロールは活性酸素に反応する過酸化脂質になり、アテロームという塊を作ったり血管を硬くします。そうなると血管が狭くなり血管が裂けやすくなります。血管が裂けると血栓がその傷を塞ぎます。
活性酸素が増え、この状態が頻繁に起こると血栓ができやすい状態となり血液がドロドロしてくるのです。
この状態を軽減するのが抗酸化物質です。抗酸化物質は抗酸化作用により活性酸素を除去します。そうして血栓をできにくくし血液をサラサラな状態にしやすくします。
さらにクルミには脳内の抗酸化作用を持つメラトニンの原料となるトリプトファンも多く含んでいます。つまりクルミには脳内の血液もサラサラにできる作用があるのです。
このようにクルミには血液サラサラ効果に対する強力な背景があります。
このくるみの血液サラサラ効果は血行促進効果、高血圧予防、動脈硬化予防、心筋梗塞・脳梗塞予防につながります。
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